(神戸新聞NEXT:令和3年2月1日)

神戸市は1日、分譲マンションの適正な管理を促すため、管理組合に管理状況の届け出や情報開示を求める制度の運用を始めた。管理規約や修繕積立金、防災マニュアルの有無などについて報告してもらい、同意が得られれば市ホームページ(HP)で公開する。届け出を受け付ける自治体は他にもあるが、情報開示もセットで行うのは全国初という。

同市によると、市内の全住宅約82万戸中、分譲マンションは約20万戸を占める。築35年超の物件がそのうち約3割あり、今後5年間でさらに急増すると見込まれる。市は、マンションは管理状況が周辺に与える影響が大きいため、管理組合による自主的な取り組みを重視。管理状況の届け出を受けて市側が必要な助言、支援を行うのに加え、「しっかり管理できていると公開することで、市場で評価され、資産価値の保全にもつながる」(久元喜造市長)と期待する。

届け出の受け付けは3月1日から。6戸以上の分譲マンションの管理組合を対象に、建物の概要や管理組合の総会の開催状況など約40項目について3年ごとに報告を求める。さらに各管理組合の意向を踏まえて、届け出内容を市HPに掲載する。

市は制度のスタートに合わせて、市の住宅関連の総合窓口「すまいるネット」にマンション管理支援員を常駐させ、管理相談専用ダイヤル(TEL078・647・9955)を開設。住宅金融支援機構や兵庫県マンション管理士会と連携し、専門家の派遣や修繕計画の見直し支援などを行う。

また、市が把握する対象の管理組合には、2月上旬に関連資料を送付する。(初鹿野俊)

 

神戸市が分譲マンション管理組合に届け出を求める主な項目

l  マンションの概要

l  管理規約の有無

l  居住者名簿の有無

l  修繕積立金の徴収について

l  法定点検の実施状況

l  防災マニュアルの有無

l  防災訓練の実施状況

l  コミュニティ活動について